地デジのコピー制御方式見直し,「回数限定で1世代のみコピー可」へ
受信機と録画機の一体型の場合に限り,コピー・ワンスで 放送された番組は「1世代のみコピー可」という状態で蓄積し, その録画機から別の機器や記録媒体にコピーする回数に制限を 設けるというルールである(図1)。受信機と録画機をIEEE1394 などで接続する分離型の場合は,今まで通りムーブしか許可 されないことになる。
現状は「コピワン」とは名ばかりの実質「ムブワン」で、メディアにコンテンツを移動するとHDDレコーダからはそのコンテンツは消去されてしまう仕様だったのだが、改正後はメディアにコピーしてもHDDレコにはコンテンツが残るようになる(残りコピー回数が減る)という。これだけを見ると今より制限が緩和されるように見える。が、コンテンツに埋め込まれるコピー可能回数が本当に2以上に設定されるのかどうかが不明(1なら現状とほぼ変わらない)だし、ユーザが(デジタルに疎いお年寄りも含めて)どうやってその残りコピー回数を確認するのかも不明。さらに問題なのが、コピー可能回数を放送波に埋め込むための方法は、現行の仕様でも規定されている(EPN)のに、なぜかそれは適用できないという。意味わかんねー。
機器メーカーは新ルールに対応する仕様に沿って録画機の ソフトウエアなどを開発し直す必要にられる。さらに, これまでに販売された現行のコピー・ワンスのルールに 沿った録画機は,そのままでは新ルールに対応できない。
放送波の仕様をいじるから、現在発売されているチューナー、チューナー一体型録画機はすべてゴミになってしまうんだと。いいかげんにしろ!
これで消費者が納得するとはとても思えない。コピワン以上に意味不明な仕様が追加されるだけでもついていけないし、この難物に対応するための開発費が製品価格に反映されるからデジタルチューナー・レコーダの価格は下がらない。さらに、苦労して新規格への対応機器を作っても消費者は買わないんじゃないかな、今と同じで。
有識者に何の見識が有るのかわからないけれど(おそらく利権を守り抜こうという意識だけが有るのだと思われ)、消費者側の思いはきわめてシンプルな下記一点だろう。
アナログ放送録画機より使い勝手が落ちるものは認めない。
デジタル放送対応DVDレコーダの販売台数が早くも頭打ち傾向に入っているのだが(それでも普及率40%に達したのは驚き)、恐らく理由は「コピーワンス」(と「B-CAS」)のせいだと思われる。「デジレコは操作体系が複雑だから」とか「値段が高すぎなんだよ」とかいう理由については、複雑にせざるをえない要因を作っているのがコピワン(とB-CAS)だという風に分析していくと、結局、理由はコピワン1点に集約される。
そして今回の新案はコピワンが維持されている以上、消費者ニーズにマッチしていない。どんな規格変更しようと本質に「ダビングさせない」がある以上消費者は納得しない。さらに「買ったばかりだけどまた買い換えろ」と。
進歩的な消費者はYouTube・Stage6・ニコニコ動画などのVOD系サービスの便利さを知ってしまっているから、こんな改正が続くなら、あくまで極論ではあるが、「もうテレビなんて要らなくね?」という方向に倒れる可能性すらある。今ですら、テレビ広告収入の減少の兆候が見えているというのに、そこのところの危機意識が有識者とやらには致命的に欠如しているのではないか。
何度も繰り返すが、「無料放送にコピー制限入れてるのは世界中で日本ただ一国だけ!」これが事実。日本のケータイとデジタルテレビの鎖国市場は世界の非常識! メーカーで仕事をしてると一般人以上にこれは痛切に感じる。もっと言えば、メーカーは無能見識者なんか以上に冷徹だから、「テレビが終わる日」まで想定して次世代の開発に既に入ってる(ていうか、今から入ってないと世界に後れを取る→倒産する)。呑気な鎖国テレビ局のペースにつられて一緒に死亡するわけにはいかないのよ。
ところで、この件について議論しているスレで、
450 Name: 名無し募集中。。。 [] Date: 2007/04/07(土) 12:26:35.73 0 ID: Be: コピー回数制限なんてつけられたら編集もろくにできないな 最悪だ
という書き込みがあるのだけれど、これは意味不明だった。編集できなくなる規格なのか?