日本版Billboard vs オリコントラックスチャート

「ビルボード」日本でも音楽チャート

オリコンも「トラックスチャート」としてBillboard方式のランキングを作ってはいます。積極的に宣伝していないので今ひとつ浸透していませんが。そちらだとBillboardで6位のトリスタン・プリティマンは28位、10位の西野カナは36位。要素複合型チャートだと、要素の取捨選択や要素間の重み付けのさじ加減で、チャートを発信者側の思想に基づいて如何様にも「作る」ことができるのでこんな違いが出てしまいます。

現状、オリコンのトラックスチャートは、売上要素の配分がかなり強くなるように作られているらしく、ほぼ売上だけで1位が決まってしまい、急直下型推移をする曲が非常に多いという点で従来のオリコンチャートとの違いはありません。Billboardではラジオの比率が極端に高くなっているのでしょうかね。

ラジオ要素はオンエア回数ということですが、1日にオンエアできる曲数には限度があり、なおかつオンエアする曲は放送局の思想*1に左右されるため、連投リクエストのような行為は完全に排除できる反面、リクエスト数が多くても無視される可能性もあります。また、ヘビーローテーションに採用されればそれだけでチャートが稼げてしまう。西野カナbayfmのパワープレイになっているようです。これだけラジオの比率が高いと、Billboardはヒットしている曲のチャートではなくて、主要ラジオ局が「ヒットしているということにさせたい曲」ランキングと考えたほうがいいようですね(あえて極端で意地悪な表現にしていますが)。

西野カナの当該曲、自分はたまたまスカパーで見て気に入ってPVをキャプチャしてありますが、日本で10番目に支持されている曲だとはとても思えない、実感の伴わない結果ではあります。でももしBillboardオリコン並に普及したら、Billboardが「作った」結果がそのまま事実として世間に受け入れられるのですかねぇ。

*1:演歌・アイドルはオンエアしない、など。これら思想によって多くのラジオ局から除外されているジャンルは、必然的にBillboardではろくに戦えないことに。