(長文でしかも石川卒業セレモニーについては言及してません、あらかじめお断りしておきます)
前回が市井紗耶香卒業&4期初ステージだったので5年ぶり。MCで石川本人も特別な思いがあると語っていたが、娘。デビューと娘。ラストの両方とも、武道館で360度観客に囲まれて迎えられるのというのは素晴らしいことだと思う。と同時に、石川・吉澤以外にとっては5/6・7が武道館初ステージとなる。このことは決して偶然ではなく、娘。魂を先輩から後輩に継承するための重要な通過儀礼として用意されたものに違いないと思った。いや、もしかしたら秋コンにまた武道館が設定されていることまでも含めて通過儀礼なのかもしれない。
公演は矢口さんが突然娘。を辞すという予期しなかった危機を、残ったメンバーが守備範囲を拡大することで見事に乗り越えていた。娘。の結束力は想像以上に固いものだということを改めて知らされた。高橋愛・新垣里沙の二人は矢口在籍時から「ふるさと」のソロをまかされていたので今ツアーの当初から頼もしくなった姿を感じていたが、武道館では、矢口パートを引き継ぐことで一気に歌う箇所が増えた吉澤ひとみ・田中れいなのふたりにも同じく頼もしさを感じた。特に「春の歌」で矢口が担当していた歌い出しのフェイクを引き継いだよっすぃ〜が見事に歌いきった時には身震いがした。いつもだらだらしてるように見えてたけどやればできんじゃん!って。そしてまた、長くなったソロパートを歌いきった時の各メンバーの表情が達成感に溢れていてとても凛々しかった。
この日18歳になったばかりの紺野も成長した。もともと紺野は音はちゃんと聞き取れているのに声量が足りなかったのだが、「娘。ドキュメント」を経て声もかなりよく通るようになってきた。それと同時に音程もより正しく取れるようになってきたので、あとはもう場数を踏むだけで紺野は最大の弱点を克服できるのではないかと感じた。
武道館公演全体を通して、石川の卒業に関する寂しさよりも、5期・6期の成長した姿が見られた喜びの方が大きかった。矢口が急に抜けたことは非常に残念なことだけれど、もはや先輩メンバーのヘルプがなくてもゴロッキーズだけでステージがこなせるまでに達していたことは嬉しかった。そして5期無能って言ってる連中は、5期を背景としかみなしていないテレビだけで情報収集していてライブは観ていないんだなということもわかった。見てない人に無能って言われても気にすることなんてない。ただテレビではもっと前に出ろ。ひっこめって言われるくらい前に出ろ。ステージは問題ないけれどテレビトークだけがオリメン娘。から見劣りする部分だから。
そしてゴロッキーズに関してはもうひとつ、どうしても触れておかなければならないことがある。「大阪 恋の歌」の直前のMCで高橋愛から「みなさんのおかげでチャート2位をとることが出来ました!」という感謝の言葉が昼夜ともにあったが、これは極めて異例なことだった。しかも1位でなく2位という結果であえて言及したのは初めてではなかったか。自分の記憶する範囲で娘。がランキングについて言及したことは「抱いてHOLD ON ME!」と「LOVEマシーン」の1位、タンポポとしての「王子様と雪の夜」の1位くらいしかない(プッチモニの「ちょこっとLOVE」もあったかもしれない)。おそらく矢口さんの件もあったから、「売れなかったらどうしよう」という思いでいっぱいいっぱいだったのだろう。しかも「売れなかったら自分(達)のせいだ」とまで思い詰めたのはゴロッキーズにとってはきっとこれが初めてだと思う。だから今回2位を取れたことがよほど嬉しかったのだろうと、MCを聞いて思った。厳しいことを言えば2位だけど実際は前作割れしてるというところはあるのだけれど、オリジナルメンバーがひとりでも残っていたときと完全にいなくなったあとでは売上げ枚数の重みもまた違ってくるだろうと思うので、前作割れということをことさらに取り立てるのはやめておきたい。それよりも、「売れたらファンのおかげ、売れなかったら自分達のせい」という意識をゴロッキーズ(少なくとも高橋愛)がしっかりと持つようになったこと、これも娘。魂の継承ではないかと思う。そして、こればかりはオリメンが全員いなくなるという現実に直面することによってしか継承することができなかったのかもしれない。
5/8以降は完全にゴロッキーズ主体のモーニング娘。になるけれど、ゴロッキーズの好きなように娘。を変えていっても、その結果オリジナルメンバーのいた頃とは違う娘。に変わってしまったとしても(実際、既に変質してしまったけれど)、このメンバーがやることだったらそれを新しい娘。の形として受け入れてもいいと思った。石川梨華に対する小川麻琴の送辞が「吉澤さんのすぐ下が5期なので頑張ります」。そうだ、頑張れ! 既に頑張ってるけどさらに頑張れ!
石川梨華卒業セレモニーについては改めて別の文章で書きます。